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プロジェクトルームは思っている以上に重要

私の経験から言えることは、プロジェクトルームは大きい方がよいと言うことです。具体的には、ベンダー全員が入れるスペースに加えて、4、5人が打ち合わせできるスペースを2、3箇所用意すると良いでしょう。プロジェクトルームに打ち合わせスペースを配備する理由は3つあります。まず第一に、会議室を毎回予約したり、会議室まで移動する必要がないため、時間的に効率的です。第二に、プロジェクトルームで打ち合わせが行われることで、その内容が打ち合わせをしていないプロジェクトメンバーにも臨場感を持った情報を共有されるため、ERP導入にとって有益です。ERPは、業務やデータがすべての部門を横断するため、販売や製造などの各チームが同じプロジェクトルームを使用することで、部門を横断した”いわゆる横串管理”に効果的です。たとえば、製造チームが実績収集の打ち合わせをしているときに、会計チームはそれを耳にいれることで原価計算の考えに至ることができます。第三に、これが最も重要なことなのですが、ユーザーがいつでもベンダーに相談に来る環境を作ることで、チームのコミュニケーションが円滑になることです。ERP導入において、ユーザーは主人公であり、時間と場所に縛られずに”ちょっと立ち寄って”ベンダーと話をすることができる環境を提供することは思っている以上に効果的です。そのようなチームは、ユーザーとベンダーがお互いを補完し合う関係になるため、プロジェクト全体の雰囲気がとても良くなります。

最近では、リモートでプロジェクトを運営する場合も多く、プロジェクトルームがなくても、チャットルームなどを利用してタイムリーにコミュニケーションを取ることができます。ただし、それでも直接会って話すことの持つ効果には及びません。

もし、このようなスペースを確保できない場合は、ベンダーの席を減らしてでも、ユーザーとベンダーが打ち合わせできるスペースを確保する必要があります。なぜならば、うまくいっていないプロジェクトの多くが、ユーザーとベンダーの会話時間が少ないことが原因だからです。一緒にいても何も会話を交わさないこともあるかもしれませんが、そういう場合はプロジェクト管理者が明るく話しかけて雰囲気を良くすることが大切です。

ある食品業界のお客様の例では、プロジェクトルームの真ん中に100インチ程度のスクリーンを配置し、そこでプロジェクトオーナーが社長に次のシステムでできることをプレゼンしたのです。画面が変わるたびに社長が「こんなことも見れるようになるんだ」と喜びの声を上げ、それは同じプロジェクトルームにいるプロジェクトメンバーにも聞こえるのですから、モチベーションも上がることでしょう。このように、プロジェクトルームは工夫次第でプロジェクトに大きな効果をもたらすことができます。

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